「心の傷を癒すということ」と「宇崎ちゃんは遊びたい!」

「しんぶん赤旗」日曜版、最新の2月9日号で、岩根彰子氏による春の連続ドラマ評が掲載されている。
「痛みや苦しみに真摯(しんし)に向き合うドラマ」として「心の傷を癒すということ」(NHK総合)、「アライブ がん専門医のカルテ」(フジ系)、「コタキ兄弟と四苦八苦」(テレビ東京系)の3本を紹介している。

個人的に心をひかれたのは、今年で発生から25年となった阪神・淡路大震災をテーマとして「心の傷を―」かな。
在日韓国人の精神科医・安克昌氏をモデルとした柄本佑氏演じる主人公が、震災直後の避難所の保健室で被災者たちの声に耳を傾けるという作品。
柄本氏は今クールにて「知らなくていいコト」(日本テレビ系)で吉高由里子の恋人役も演じている。
あわせて「心の傷を―」の主人公と、彼にとっては飛躍の時期と言っていいだろう。

脚本を担当する桑原亮子氏は兵庫県西宮市に住んでいた中学2年生当時、実際に阪神・淡路大震災で被災した経験があることが岩根氏のコラムで触れられていた。
桑原氏本人は重度の軟調を抱えながらラジオドラマの脚本を書いてきたキャリアがあるという。

この桑原の過去を知ってふと頭に浮かぶのは、このほどテレビアニメ化が決まった漫画「宇崎ちゃんは遊びたい!」(KADOKAWA)のことだ。
周知の人も多いだろうが昨年秋ごろ、本作品の女性主人公・宇崎の豊満なバストを強調したカットが日本赤十字の献血促進ポスターに起用され、大きく物議を醸した。
批判の矛先は「エロさを前面に出した女性のカットを公的なポスターに起用するのはいかがなものか」と日本赤十字に向けたものが大多数だったと記憶している。
しかし「宇崎ちゃん」の作者である丈(たけ)氏がtwitterで、くだんのポスター仕事を引き受けたのは自身の阪神・淡路大震災の被災体験があったからだと告白していた。
当時の丈氏の年齢は不明だが、震災時にがれきの下敷きになっているのを救助されたのだという。

おのれの作品へも少なからず向けられたポスターへの批判の反論として語ったようだが、それなら当時の経験を盛り込んだポスターを描けばよかっただろうと私は言いたい。
「宇崎ちゃん」は、マッサージチェアの電動で宇崎が顔を赤らめて悶絶するシーンなどを描いた、いわゆるエロ漫画の類である。
そうした作品を描くなというわけではない。
全国津々浦々に張られるであろう献血促進のポスター仕事を依頼されたなら、TPOに配慮したカットを描くべきであったろう。
宇崎ではなく、書き下ろしで性的に強調されていない人物を用いてね。
「心の傷を―」の脚本を手掛けている桑原氏とは、えらく雲泥の差を感じるに至るほど、丈氏のツイートは残念なものであった。

気を取り直して「心の傷を―」は、自宅にテレビを持っていない私も見ようと思った次第である。

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