第17回民主文学新人賞発表

定期購読している『民主文学』(日本民主主義文学会編集・発行)の6月号が自宅に届いた。
毎年恒例の民主文学新人賞、この第17回の受賞作品が掲載されている。
新人賞は75歳の元国語教師・宮腰信久氏の小説「孤高の人」。
佳作は中寛信氏の小説「病院で掃除のアルバイトをするということ」だった。
文芸評論、戯曲で最終候補に残った作品はなかった。

選考委員(青木陽子、牛久保建男、乙部宗徳、工藤勢津子、仙洞田一彦の5氏)の選評を読む。
各氏の選評を読んでいると、最終選考の会議でどんなふうに議論されたかがぼんやりと見えてきて面白い。
印象としては宮腰氏の作品が満場一致で推されたわけでなく中氏との争いになったが、人物描写などがよりまとまっていた宮腰氏に軍配が上がった…てところだろうか。

惜しくも選に漏れたが、亀岡一生氏の小説「海を越えて」に選考委員の言及が多かったのが興味深い。
実質的な次点といった感じか。
「海を越えて」は、欧州から日本に来て奮闘するが、結局帰国してしまうという大相撲力士の話。
民主文学のカテゴリーで大相撲がテーマの小説ってこと自体が新鮮だし、仙洞田氏の選評で紹介したように「整形外科病院の待合室でつながりができた応援団の話」のくだりそのものに惹(ひ)かれるものがある。
てわけで亀岡氏には、ぜひこの「海を渡った大相撲力士」のモチーフを大事にして、もっと練り上げた小説を書いていただきたい。

何だか受賞作品よりも選外作品で盛り上がってしまって恐縮だが、これからじっくり宮腰、中の両氏の作品を読むことにする。

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