なかにし礼さん死去

作詞家で直木賞作家の、なかにし礼さんが亡くなった。82歳。→ https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/12/25/kiji/20201224s00041000438000c.html数々の名曲を送り出した、なかにしさんだが、私にとって彼の曲と言えば細川たかしの「北酒場」だ。幼少の頃に見た「欽ちゃんのどこまでやるの?」(朝日系)で、曲のさわりだけだが細川が毎週歌っていたから。「北酒場」と言えば、作曲を担当した中村泰士さんも亡くなったばかりである。 直木賞作家としての顔も持つ、なかにしさん。自身の「満州」からの引き揚げ体験を題材にした小説「赤い月」は映画化、テレビドラマ化された。確か「赤い月」映画化のタイミングで、なかにしさんはNHKテレビの番組に出演し、自身の体験からなる反戦の思いを語っていた。言葉を生業にする人ならではの、すごみを感じたものである。 なかにしさんは数年前、日本共産党の小池晃書記局長と「しんぶん赤旗」日曜版紙上で対談した。断られたものの、その場でなかにしさんに入党を勧めた小池にも、訃報には万感の思いがあろう。なかにし礼さんのご冥福を祈ります。

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民主文学12月号「わが支部」

日本民主主義文学会(民主文学会)発行の月刊誌『民主文学』。 同誌には「わが支部」という連載ページがある。 全国にある民主文学会の支部について自己紹介がされる。 約1100字程度の短文だが、各支部の歴史や活動のこだわりが分かって興味深い。 最新の12月号に登場したのが1972年に結成し、14人で構成される富山支部。 執筆者の河原桂介氏は「支部として特筆すべきこと」の一つに、支部による民主文学会の会費や『民主文学』誌代の集金活動を挙げている。 1970年代の早い時期、民主文学会の前身である民主主義文学同盟では会費や『民主文学』誌代の滞納が問題となっていた。 そこで支部による集金を提起したのが、当時の富山支部であったという。 結局「各支部による集金」は全国的な方針となるのは見送られ、富山支部は自主的に今日まで支部員が県内の『民主文学』購読者と会員、準会員の集金・納入活動を続けている。 紙面の都合もあって紹介は簡潔だが、これ非常に骨の折れることだと思う。 何しろ対象は県内全域だからな。 対象となる読者、会員、準会員の中には車でも時間のかかるところに居住している人もいるだろうし、集金に先立ってアポイントを取るのも大変な労力を要するだろう。 富山支部の皆さんは、それを50年近く続けている。 河原氏は「私たちのささやかな誇り」と書いているが、大いに誇るべき取り組みであろう。 この記事を書きながらふと思ったのだが「わが支部」の記事に支部の連絡先を書いておいたらいいのではない…

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赤旗日曜版に赤川次郎氏インタビュー

「桜を見る会」報道でJCJ大賞の授賞式に山本豊彦編集長らが出席して以降、初めて発行した「しんぶん赤旗」10月18日号。 2面に授賞式の様子が報じられているが、隣の3面に作家の赤川次郎氏がインタビュー出演していた。 赤川氏と言えばこの夏、赤旗日曜版に掌編小説「さよなら」を掲載した。 それについて書いた私のブログ記事はこちら。→ https://standingah19.at.webry.info/202008/article_4.html 「さよなら」は原稿用紙4枚ほどの作品だったが、星の数ほどの小説を世に送り出した赤川氏でもかなり大変だったらしい。 しかし赤川氏が影響を受けたという中学時代の担任が「よかった」とメールを送ってきたと、うれしそうに語っている。 それにしても72歳の赤川氏の中学時代の担任となると、新卒だと推測しても80歳以上か。 さぞ赤川作品に出てくるような、バイタリティーあふれる高齢者なんだろうな。 赤川氏は内閣発足後1カ月の菅義偉首相にもチクリと入れている。 パンケーキ報道にもうんざりしたようだが、菅氏が官房長官時代に望月衣塑子・東京新聞記者の質問を妨害していたことを「いじめ」だとキッパリやっていた。 「あんなことやって恥ずかしくないのか」とまで話している。 ほんとあの「ご指摘は当たらない」てのは、首相になってからの学術会議問題とか、代表インタビューなどのマスコミコントロールと地続きだよな。 コロナ禍においても7~8本の連載を抱えて、今なお健筆を…

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赤旗日曜版に赤川次郎氏の書き下ろし読み切り小説

日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版の8月9日・16日合併号。 最終面のインタビュー「ひと」に藤井聡太棋聖が登場した今号では見開きの22・23面にて、ミステリ界の巨匠たる赤川次郎氏の書き下ろしの読み切り小説「さよなら」が掲載された。 赤川氏は識者として「しんぶん赤旗」に、日本共産党に期待する趣旨のコメントを過去に何度も寄せてくれた人だが、自身の本業たる小説を同紙に寄せたのは初めてだと思う。 「さよなら」は千数百字程度の分量。 ジャンル的にはいわゆるショートショートであろうか。 赤川氏は過去にショートショートの作品を収録した単行本を複数発行しており、その手腕を初めて読む赤旗日曜版読者も少なくなかろう。 「さよなら」は、主人公の和人が小学6年生の頃を回想する筋立てで物語が進行する。 ショートショートの分量で、真向かいに住んでいた直子の引っ越しや彼女の父親の死といったドラマを盛り込むあたりは、さすが赤川次郎だと言わせてもらいたい。 「はれときどきぶた」をほうふつとさせる塚本やすし氏の挿絵も、いい味を出している。 日刊紙・日曜版あわせて「しんぶん赤旗」の小説欄には佐野洋、あさのあつこ、重松清といった巨匠が連載を担当してきた。 今回の読み切りを機に、ぜひとも赤川氏には赤旗日曜版での連載小説を着手してほしいと願う次第である。

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赤旗日曜版であさのあつこ新連載小説

日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版最新号の7月5日号。 児童作家・あさのあつこ氏の連載小説「彼女の物語」がスタートした。 あさの氏は赤旗日曜版の小説欄では過去に「グラウンドの空」などを執筆しており、おなじみの執筆者と言ってよいだろう。 絵と題字は佐々木こづえ氏が担当。 人口は100万をわずかに超える県庁所在地の都市が物語の舞台だ。 私は読んでいて、てっきり、あさの氏の故郷である岡山県の岡山市がモデルなのかなと思った。 しかし少し調べてみると、岡山市の人口は70万人台のもよう。 隣県の広島市は人口約120万人だそうだが、ふむ。 物語の主人公は10年前、宅地造成されて間もない団地の一画に引っ越し、夫と高校生の息子、小学生の娘と暮らしている間もなく41歳となる女性・咏子(えいこ)。 彼女は団地に移り住んでからの習慣として、帰宅の際には坂の下のバス停から坂道を歩き、上りきったところで夕焼けの街並みを眺めるという。 そんなルーティンをこなした7月のある日の夕方、咏子は中央駅のある都市の中心地近くで一筋の煙が上がっているのを目撃した。 胸騒ぎのした彼女は、中央駅近くの学習塾に通う高校生の息子・翔琉(かける)に連絡を取ろうとする。 …というのが「彼女の物語」の初回のあらすじといったところだ。 温かみある日常の物語と思ったが、煙のくだりにミステリーの味わいを感じて、ここはさすがあさのあつこと思わされる。 コロナ禍で子どもたちが休校を余儀なくされ、家にこもらねばならない…

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