アニメ制作現場と日本共産党

18日に起きた京都アニメーションでの放火殺人事件。
犠牲者や治療中の被害者を思うと痛ましい限りで、言葉にしがたい思いがある。

共産党党首の志位和夫委員長が、twitterで事件についてコメントした。
それをなぜか「しらじらしい」とリプを付けるアカウントがいたので、私が彼にこうリプした。
「共産党は、アニメーターの職場環境の改善に尽力してきた政党だからね」
画像はこちら。↓

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まあ朝ドラ「なつぞら」の舞台のモデルとなった東映動画(現東映アニメーション)は労組が強く、その労組で活動した人々が「しんぶん赤旗」日曜版の記事に出るなど共産党との関係は今も良好。
この事実一つとってもアニメ制作現場と共産党とは切っても切れない関係があるが、具体的に共産党がアニメ制作の現場改善に尽力した話を一つ紹介する。

それは2014年4月24日の参院文教委員会。
共産党の参院議員で、翌年に副委員長に就任する田村智子がアニメ制作現場での問題について、当時の下村博文国務大臣に質問していた。
国会会議録を検索するとやりとりを読めるが、せっかくなので一部始終を以下にコピペ引用しておこう。

〇田村氏
 この点で、今日はアニメーション制作現場の問題についてお聞きをしたいと思います。
 世界に誇る日本のアニメーションの文化ですが、制作現場の労働条件は極めて劣悪です。東京都のアニメ制作会社A―1Picturesで正社員で働いていたアニメーター、二十八歳、男性の方です、この方が二〇一〇年十月に自殺をされました。この自殺は過労によるうつ病が原因であると新宿労働基準監督署が今月十一日労災認定を行いました。この男性のカルテには、月六百時間労働などの記載があり、三か月間休みなし、残業代も未払だったということも報道されています。
 これ、月六百時間労働というのは三十日間毎日二十時間働き続けるという働き方で、余りに異常です。日本アニメーター・演出協会が二〇〇八年に行った調査、七百二十八人から回収があったということですけれども、これ賃金を見てみますと、動画の部門で年収二百万円未満という方が九割、回答者の九割、百万未満という方も半数おられたということです。労働時間の管理がされていないとか、社会保険未加入だという事例も多数に上っていることが分かっています。
 これは、当然労働行政サイドから指導監督がそれぞれの会社にやっていくということも求められているんですけれども、やっぱり業界の問題、全体の問題でもありますので、映像文化の問題、映像文化を制作しているという分野の問題として文化行政からも労働条件改善の啓発を行うことが必要でないかと思いますが、大臣、お願いいたします。

○下村氏
 御指摘ありましたように、文部科学省でもアニメーターの生活実態について、平成十七年、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会が実施した実態調査によると、ほとんどの年代で全産業の平均額よりも相当下回っていると。特に二十代、二十歳から二十九歳では、アニメーターの平均年収が百三十一・四万円、全産業の平均額は三百四十二・九万円ですから、これは、また相当過酷な労働時間を伴ってですから、恐らく労働時給で言ったら相当な低い中での余儀なくされている状況があるのではないかと思います。さらに、近年、動画の制作工程が海外に流出し、それに関わる人材が減少するなど、国内で優れたアニメーターが育ちにくい状況も指摘をされております。
 このような状況を踏まえ、文科省として、引き続きアニメーター等の活動や生活の実態把握に努めるだけでなく、若手アニメーターの人材育成事業を通じてその活動の支援をしっかりと図っていくことが必要であるというふうに認識しております。

○田村氏
 平成十七年当時と比べても、今デジタル化が進んでいて、更に労働条件厳しくなっているという指摘もあるんですね。
 今、クールジャパン戦略にアニメ産業が位置付けられていて、文化庁も若手アニメーター育成プロジェクトとして二〇一〇年度からOJTを中心とした事業を制作会社に委託をされています。昨年度の委託会社の一つが今挙げたA―1Picturesなんです。私、OJTを行うための予算を否定するものではありません。しかし、少なくともその委託先の会社が労働環境が改善されるような事業に結び付いていくようなことが求められていると思うんです。
 今、動画ワンカット二百円、この四十年間で百円しか引き上げられていないと言われるような制作費について、適正な労働時間と賃金を保障するものになるように働きかけるとか、DVDやネット配信、キャラクター製品等二次利用による収益が制作者、アニメーターにも還元されるような仕組みということも、これは検討していくことが必要だと思います。行政サイドからできることはあると思います。
 既に、東映アニメーションでは、こうした異常な事態の中で、テレビアニメメーンスタッフへのロイヤリティー還元、支払ということを始めていて、七〇年代の作品にまで遡って二次利用の収益の還元に踏み出しているということです。
 こうした取組も是非お調べいただきまして、その取組が広がるように、そうなってこそ世界に真に誇れる日本の文化の発信となると思いますので、そうした取組やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○下村氏
 先週土日にASEANプラス3文化大臣会合がベトナムでありまして、六回目、日本の文部科学大臣として初めてなんですが、出席をし、同時に、初めて日・ASEAN文化大臣会合を今年から開催する、スタートするということにいたしました。
 その中で、ASEAN諸国からも特にこのアニメについての期待感というのは非常にありまして、アニメーター等を是非送ってほしいと、あるいは、各大学でアニメを学ぶ、そういうコース等も設定したいということで日本の支援をしてほしいという要望がありました。
 是非、このアニメが世界に誇る日本の、産業的にも十分成り立って、そして、関係者の方々が最低でも平均的なほかの産業界の所得が得られるような環境づくりをトータル的につくるということが日本のポップカルチャーの育成のためにも必要なことであるというふうに思いますし、トータル的なそういう視点から文部科学省としてしっかり取り組んでまいりたいと思います。

○田村氏
 最後にですけれども、映像文化制作者へのそうした支援というのは本当に急がれていて、単行本で大ヒットをして、昨年テレビアニメ化された「進撃の巨人」が放映開始から間もなくアニメーター急募ということを総作画監督がツイッターで発信してファンに衝撃を与えたという、こういう事例もあるんです。
 制作者の労働環境の改善なくして映像文化の発展はあり得ませんので、文化行政としての支援を強く求めまして、質問を終わります。


 以上である。
 何か山田太郎とかいう自民党の比例候補が「アニオタの味方」然として振る舞っているらしいが、そいつとは共産党はレベルが違うということだけは言わせてもらおう。
 もちろん、共産党の方がレベルが上という意味でな。
 もうあさってには参院選の投票日だが、アニメを愛する皆様におかれましては、ぜひとも今回の記事を投票の参考にしていただきたいと思う所存である。

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