『民主文学』新年号で旭爪あかねさん追悼

『民主文学』最新の2021年1月号が、このほど届いた。
11月8日に53歳で早世した作家で日本民主主義文学会(民主文学会)の元副会長である旭爪(ひのつめ)あかねさんを追悼する宮本阿伎(あき)氏の文が寄せられていた。

宮本氏の追悼文からは、旭爪さんの4年にわたる闘病生活の一端に触れることができる。
今年7月、宮本氏のもとへ届いた旭爪さんの手紙では、入院中は治療の副作用で寝てしまう日々だが「『民主文学』を1日1行は必ず読む」ことを実行していたという。
1日1行、というところでいかに厳しい治療に旭爪さんが耐えていたかが分かり、読んでいて改めて胸が詰まる思いがする。

宮本氏は、旭爪さんが初めて書き上げた長編小説「世界の色をつかまえに」について重要な指摘をしている。
ひきこもりの主人公を描いた「世界の―」だが、実は現代日本文学において「ひきこもり」を主題にしたのは同作品がおそらく初めて、という。
言われてみればそうかな。
「世界の―」が『民主文学』誌上に一挙発表された1998年てのは、確かに「ひきこもり」が社会問題化し始めた時期だったんだよね。
この作品は旭爪さん自身のひきこもり経験に基づいて書かれたものだが、彼女が民主文学会元会長の吉開那津子氏に「あなたがこれからの人生を生きるために、書き上げなければならない」と激励され、苦闘して世に出した軌跡でもある。
その成果が日本初の「ひきこもり文学」だったとするなら、旭爪さんの訃報はもっと大きく報じられても良かったなと思う。
天下のNHKが「こもりびと」キャンペーンを打っている時期だから、よけいにね。

『民主文学』は旭爪さんの追悼特集を改めて組むらしい。
また『民主文学』の毎月の巻末にある筆者紹介欄は、彼女が同誌編集委員時代に提案したものという。
旭爪あかねさんのご冥福を祈ります。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント